日本人なら子供の時に一度は耳にしたであろう昔話「浦島太郎」
「むかし~むかし~うらしまは~♪」といったリズムと共に物語を覚えた人もいるのではないでしょうか?
そんな浦島太郎ですが、物語終盤に開くなと言われていた玉手箱を開けてしまい、おじいさんになってしまうシーンがありますよね。
このとき浦島太郎は何年後の姿になってしまったかご存じですか?
子供に「浦島太郎は何歳になったの?」と聞かれて困った、なんて経験も・・・
この記事では浦島太郎は玉手箱を開けて何年経ったおじいさんになったのか?また竜宮城に滞在していた年数についても解説します。
浦島太郎のストーリーは?
現在一般に知られているストーリーですが、大正から昭和(1918年~1932年)にかけて使われていた、第3期国定教科書に載っていたものがベースになっているそうです。
箇条書きにすると以下のような流れです。
- 浦島太郎が、浜で亀をいじめている子供達を見つける
- 子供たちを追いやり、亀を助けて海に放す
- 2、3日後に亀が現れ、助けたお礼として浦島太郎を背中に乗せ、海の中にある竜宮城に連れて行く
- 竜宮城で乙姫に歓迎されてきらびやかな生活を送る
- しばらくして浦島太郎が帰ることを伝えると、乙姫に「決して開けてはならない」と言われた玉手箱を受け取り、再び亀の背中に乗って元いた浜に帰る
- 地上では700年経過しており、誰一人知っている人はいなかった
- 忠告を忘れて玉手箱を開けると、中から白い煙が出てきて、実年齢の白髪でしわだらけの老人の姿に変化してしまうのだった
余談ですが、これの元になった教科書になる前の話には、竜宮城内で浦島太郎は乙姫と結婚し、子供にみせるのにはふさわしくない生々しい結婚生活(察してくださいw)が描かれていたため、カットになったそうです。
教科書になる前のストーリーは室町時代に成立した?
「浦島太郎」という物語が定まったのは、室町時代に成立した、短編物語の「御伽草子」だったといわれています。
前述の説明との相違点、および追記点は以下の通りです。
- 浦島太郎は24~25歳の漁師で、両親を養っていた
- 亀は釣りをしている時に釣ったが「亀は万年というのにここで殺すのは忍びない」として逃がした(子供は登場しない)
- 逃がして数日後、一人の女性が舟で浜に漂流したが、元いたところに帰りたいと請願される(この女性は逃がした亀の化身だった!)
- 二人で舟をこいでいると、竜宮城にたどり着く
- 女性は浦島太郎に結婚したいと望み了承する
- 三年暮らした頃、残してきた両親が心配になり帰りたいと申し出る
- 女性(姫)は自分が助けられた亀だとカミングアウトし、絶対に開けてはならぬ「かたみのはこ」を手渡す
- 元の浜に着いてから、老人に父の行方を尋ねるも、700年も昔の人でお墓の場所を紹介される
- 絶望した浦島太郎は箱を開けてしまい、たちまち老人になる
- 浦島太郎は鶴になり、蓬莱山へ向かって飛び去り、同時に乙姫も亀になって蓬莱山に向かう
高校の古典の授業で習いそうな展開ですよね。もっとも古典はその頃の話を題材にするので当然といえば当然なのですが。
竜宮城は海中では無く、島、あるいは大陸に存在しているように描写されていて、絵巻や絵本の挿絵もそのようになっている模様です。
竜宮城にはどれぐらい滞在した?
絵にもかけないと形容される竜宮城ですが、浦島太郎はどれぐらいの期間滞在していたのでしょうか?
物語の細部は「浦島太郎」が書かれている教科書や絵本などによって異なりますが、
竜宮城にいた期間というのは、だいたい3年で統一されているようです。
歌詞の中にも「月日のたつのも夢の中(うち)」とある通り、浦島太郎にとってみれば一瞬ともいえるほどの短い時間だったのではないでしょうか。
浦島太郎は何年後の姿になったのか?
さて、竜宮城に3年間滞在していた浦島太郎ですが、浜に戻った時には実際何年経過していたのでしょうか?
「国定教科書」並びに「御伽草子」によると、700年経過していたとされています。
しかし、絵本やその他の文献には300年と記載されているものもあります。
これは、竜宮城での3日間は現実世界での3年間であり、3年間は300年に対応するという考えから来ているものと思われます。
また、錦絵の詞書きには340年あまり経過していたという、中途半端な年数が示されているものがあったり、「対馬民謡集」には浦島太郎は9000歳になったと書かれた厄払いの歌があったりと、時代や改変した人物などによってかなり差が生まれている結果となりました。
「御伽草子」の内容を参照すると、亀を助けたのが24~25歳とありますので、竜宮城で経過した3年と、玉手箱を開けて700年をプラスすると、浦島太郎は727~728歳の姿になってしまったということになります。
ウラシマ効果とは?
仮に竜宮城で3年経過している間に、現実世界で700年経過していたとすると、竜宮城は高速に近い速度で動いていた可能性があります。
特殊相対性理論で計算できるような「運動している物体の時の流れは遅くなる」現象を、浦島太郎にちなんで「ウラシマ効果」と呼んでいます。
ちなみに竜宮城3年経過=現実世界で700年経過を成り立たせるためには、竜宮城は光速の99.9991%の速度で動く必要があります。
(重力考慮せず&粗めの近似)
都市伝説にもなっている「竜宮城=宇宙人説」はここから来ているのです。
まとめ
日本人にとって最もなじみのある昔話の一つ「浦島太郎」
ラストで玉手箱を開けて老いていくところのインパクトが強すぎて、一生覚えていられる物語ですよね。
そんな浦島太郎は竜宮城で3年を過ごしたことはどのストーリーでも共通していました。
ただ、玉手箱を開けて何年歳をとったのか?については諸説あり、300年~700年、また9000年と伝えられているものもあることが分かりました。
子供に「何歳になったの?」と訊かれた時には説明のしやすさ的に300年と答えるのが分かりやすいかと思います!